フジヤマ渡辺正に聞く

三軒茶屋にあるレコードショップ・フジヤマは、(ほかのだれかにもそうであるように)ぼくにとっても大事で特別な店だ。この店を約33年前に始めた店主、渡辺正のような人はどこにもいなかった。今だってどこにもいない。(これはぼくが知らないだけかもしれないが)
しかしこんな店はどこにもなかった。(これは確かだ)

2016年の年頭、フジヤマ店頭で歌わせてもらえたあと、「今年はフジヤマ開店33&1/3周年で何かイベントやろうよ」と話を持ちかけた
以前のような軽い調子でその場は盛り上がった。少し硬い言い方をすれば、フジヤマが在るということの意義を皆でもう一度掲げたかった気持ちがあったと思う
渡辺さんはしかし「そういうことを今、やる意味があるだろうか」と、とても懐疑的だった。「あまり別にぼくのやることを誰も望んでないんじゃないかな」には、そんなことないよ、と言えても「ただバンドを集めてのお祭りなら今はあちこちで行われているじゃない」とは、確かにそうだ、反論できない
では、なんだろう、を渡辺さんと考えるのに時間を要した。4~5月の連休にフジヤマ店内の掃除、在庫整理や、エアコン取り付けの片付けにかこつけて連日会ってたりしたのも、その一環だった

フジヤマはレコードを売ってるだけでは片手落ちと思いライブ企画も始めたという
思えば今や当たり前になってる異種のバンドのセッションも、1986年11月のフジヤマガンガンファイトでの「原爆階段」(the原爆オナニーズ+非常階段)に端を発しているのだと思っている。パンクバンドにブラックミュージック演らせてみたり等の仕掛けの極端な企画を続けてきたのも、フジヤマ新喜劇と称してバンドマンにライブハウスで不可解な寸劇やらせてたのも、そしていずれもが威力のある成果を産めた訳は、どうなるかわからないものへの共感や賛同が、企画の動機の一番底にあったからだと思う

では、今、そういうものはどこにある?
そういうものはどこに行っちゃった?
てなことを毎度話してるうち、そうだこういう話をまず、すればいいんじゃないか。と気づいた

80年代の終わり渡辺正はいつも(静かに)怒っていたのを思い出した。その怒り方は最近の円盤店主の田口史人に何か似てるなと、ぼくは感じて(異論もありましょうが)フジヤマがお休みの火曜日
こんな企画を円盤に持ち込んだ

9月20日火曜
「フジヤマ渡辺正に聞く」
START 20:00-/Charge ¥1,500(1drink付き)
聞き手:佐藤幸雄
@高円寺・円盤 電話03-4291-3555
http://enbannews.blogspot.jp

おみやげもおつけします。と計画

余談1:円盤店主の田口くんはフジヤマ新喜劇に数回出演していたようだ(渡辺さんは覚えていなかったけれど…)
余談2:やるんならやはりチラシ作んなきゃ、と相談に行くと店頭でフリーハンド、ものの15分ほどで書き上げられたものが↓。袋文字が素晴らしいね
RIMG1456.JPG

 

 


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